離婚の種類

さて、もう修復が困難であったり、修復するつもりがない場合には、離婚の進め方を検討する必要があります。

お話し合いで離婚に進むのか?裁判所を使って離婚をするのか?

それぞれの特徴もあるので、以下ではそれを整理してご説明しますね。

手段メリットデメリット
協議離婚
(裁判を利用しない話し合い)
・柔軟な解決が可能 ・早く離婚できる可能性 ・経済的にも負担軽い・相手が応じないと離婚できない
・話し合いにならずにお互いの言い分をぶつけあうだけになる
・モラハラの相手だと話にならない
・一方的な条件で離婚をすることになる可能性がある
調停離婚
(裁判所での話し合い)
・裁判所が間を取り持って話し合いが進む
・相手と顔を合わせなくても良い
・柔軟な解決も可能
・時間がかかる
・相手が応じないと離婚できない
・話し合いにならずにお互いの言い分をぶつけあうだけになる
裁判離婚
(裁判所に決めてもらう)
・相手が同意しなくても離婚可能
・相手の不合理な主張は通らない
・時間が非常にかかる
・柔軟な解決になりにくい
(1)協議離婚(裁判所を使わないお話し合いの離婚)

協議離婚は、お互いのお話し合いで離婚をする、または弁護士が間に入って話し合いで離婚をするというものになります。

特徴としては、裁判所を使うよりも早く離婚ができたり、柔軟な解決ができたりするという点があります。

これに対して、お相手が話し合いに応じないと一向に進まなくなったり、特にモラハラ系のお相手の場合は、一方的に価値観を押し付けてきて、話し合いにならなかったり、二枚舌や手のひら返しなどもあるので、時間を無駄にしてしまうこともあります。

そのような場合には、早々に裁判所を入れた手続きに移行した方がスムーズですし、精神的な負担も軽減されます。

また、相手から条件を一方的に押し付けられてしまうこともありますので、ご本人だけで協議離婚を進める場合には、できれば弁護士に相談しながら条件交渉をしていただいた方が良いかとも思います。

特に離婚は初めてという方も多いと思うので、自身の経験豊富も豊富な弊所の弁護士の原口に、一度離婚の大先輩としての意見を聞きに来てもらえたらと思います。

(2)調停離婚(裁判所でのお話し合いの離婚)

本人同士の話し合いや、弁護士同士の話し合いではまとまらないケースでは、早々に裁判所を利用することになるでしょう。

調停での離婚の場合、裁判所の調停委員という方2名(男女1名ずつ)のいる部屋で交互にお話を聞いてもらって合意内容の調整をしていくイメージです。

そのため、基本的に相手と顔を合わせる必要もないですし、暴力的なお相手の場合は特に裁判所が配慮してくれますので、本人同士では恐怖のあまりまともにお話ができなくても、調停なら大丈夫です。

ただ、調停の場合、1か月~2か月に1回、1回あたり2~3時間という時間で話をしていくので、交渉の必要がある条件が多数ある場合は、半年たっても終わらないことが平気であります。

また、あくまでも話し合いなので、お相手が同意しない限り離婚にはならないですし、条件もまとまらなくなってしまいます。

調停委員の先生方も、裁判官のように判断をするのではなく、あくまでも双方の意見を相手が受け取りやすいように調整してくれたりする役割なので、解決策の提案やお相手の説得なども非常に難しいものになります。

そして、たまに調停で弁護士が就く前と後で調停委員の先生方の態度が変わったなどのお話も聞きますので、調停に進む際には弁護士に依頼をいただいた方が良いかと思います。

さらに、離婚関係については、お相手の感情論もありますので、感情を逆なでしてしまうような交渉をされてしまうと、逆効果のことがございます。

論破するような弁護士さんではなく、丁寧なコミュニケーションが取れる弁護士さんを選んでもらえたらと思います。

(3)裁判離婚(裁判所に決めてもらう)

裁判にまで発展すると、あとは裁判所に決めてもらう、または裁判所の提案する和解内容で離婚をするということになるでしょう。

これは相手の不合理な要求は切り捨てられる一方で、こちらの裁判所的に見たときの過度な要求も切り捨てられてしまうということです。

裁判所は、法律を前提とした公平性や合理性を尊重して判断をするので、裁判所には真実は伝わらないことが多いんです。

そのため、あなたも相手も、裁判所が決めた内容なら、意に添わなくても受け入れようという心つもりがないと、不平不満しか残らないということにもなってしまいます。

裁判というのはこのようなマインドセットが非常に重要ですし、裁判所が決めた内容を受け入れつつ、これをどのように糧にして、チャンスとして前に進むかが非常に重要となります。

一緒に取り組み、一緒に悩み、一緒に出来事の解釈をしてくれるような弁護士をぜひ選んでみてください。

どの方法がベストかというよりも、どの方法でもベストにすることが重要

人と人なので、最終的に分かり合えず、お相手から反感を買ってしまうこともあるでしょう。

協議離婚でお互いが納得しながら次の人生を歩めるのがベストです。でも、それが出来ないお二人も沢山いらっしゃいます。

そのような場合、相手を思いやり、様々なことを考えて強引に進められないような優しい方も沢山いらっしゃいます。

しかし、あなた自身が辛い人生では元も子もありません。もしお子さんがいたら、そんなママやパパの姿はお子さんに悪影響を与えてしまいます。

もしお一人なら、これから先の次の人生が歩めなくなり、貴重な時間を失ってしまいます。

お相手の理解が得られない、お相手と話合えないなら、あなたはお相手に敬意と思い遣りを届けながら、強引にでも裁判所で別れて、あとはお相手の幸福を祈るというのも重要な手段になります。

今のあなたがどのような方法を取るべきか悩むようであれば、ぜひ一度弊所までご面談にいらしてみてください。あなた一人では気づけない、あなたや近しい人たちだけでは気づけない、そんな視点をお渡しいたします。